WO2002007078A1

WO2002007078A1 - Structure de logement et d'installation d'etiquette d'identification et procede de communication d'une telle etiquette

Info

Publication number: WO2002007078A1
Application number: PCT/JP2001/006083
Authority: WO
Inventors: Fujio Senba; Nakamaro Hyodo; Jun Fujii; Tomoki Uchiyama; Shigeru Kida
Original assignee: Hanex Co., Ltd.
Priority date: 2000-07-19
Filing date: 2001-07-13
Publication date: 2002-01-24
Also published as: BR0112645A; DE60135855D1; CN1251131C; US20040074974A1; EP1308883A4; CN1443340A; KR100758100B1; EP1308883A1; US7088249B2; EP1308883B1; KR20030055246A; BRPI0112645B1; AU2001269519A1; TW517478B

Description

明細書

R F I Dタグの収容構造、 R F I Dタグの設置構造及ぴ R F I Dタグの通信方法技術分野

本発明は、アンテナコイルと、制御部とを有する RF I Dタグの収容構造、設置構造及び通信方法に関するものである。

この出願は、日本国への出願日が 2000年 7月 19日の特願 2000-21 8443、並びに 2000年 8月 2 の特願 2000— 233888の外国特許出願の外国優先権利益を主張するものである。背景技術

従来、 RF IDタグ（Radio Frequency IDentification TAG) には、電磁誘導型と電磁結合型があり、何れも電磁波を利用してリードライト端末機等と非接触で通信を行うようになっている。

RF I Dタグはアンテナコイルと制御部を有し、リードライト端末機からの送信信号をアンテナコイルが受信すると、制御部がそれを電力としてコンデンサに蓄積すると共に、その電力を利用して記憶部に記憶された I Dコード等の情報を再びアンテナコイルからリードライト端末機に送信する。

送受信方式としては、 ASK (Amplitude Shift Keying) 方式と、 F S K (Frequency Shift Keying) 方式があり、前者は電磁波の振幅偏移変調により送受信を行い、後者は電磁波の周波数変調により送受信を行う。

一般的な RF I Dタグをアンテナコイル形式で分けると、円形の空心コイルを使用した円盤状のアンテナコイルと、棒状のフェライトコアにエナメル線等の絶縁被覆銅線を巻き付けたシリンダ状のアンテナコイルの 2種類が存在し、外形は夫々のアンテナコィルの形状に対応して前者は円盤状に形成され、後者は棒状に形成される。

尚、円盤状のアンテナコイルを有する RF I Dタグは円形コイルの面方向の磁束変化を利用して通信を行い、シリンダ状のアンテナコイルを有する R F I Dタグは軸方向の磁束変化を利用して通信を行う。

また、 R F I Dタグの保管、運搬及び使用において、外部からの応力や衝撃等から保護するために、その周囲を容器等で覆うことが多いが、容器の外部からリ一ドライト端末機等と R F I Dタグが通信を行なうためには、容器の材料として通信のパリアになる導電性材料は使用出来ず、プラスチック等の非導電性材料を使用するのが一般的であつた。

し力し、プラスチック等の非導電性材料を使用した容器は外力に対する抵抗力がそれ程大きくないため、耐久性に問題があった。例えば、多数の鋼板に夫々プラスチック容器に収容した R F I Dタグを取り付けて個別管理を行なう場合、鋼板は運搬や保管に際して落下や倒壌、荷崩れ等を起こし易く、プラスチック容器が破損して収容された R F I Dタグが損傷する虞がある。

ところで、電磁波は交流変化する電界と磁界が 9 0度の位相で伝播するものであるが、その磁界変化による交番磁束が鉄、アルミニウム、銅等の導電性部材と交差すると、該導電性部材中に渦電流が発生し、その渦電流により交番磁界を打ち消す方向に磁束が発生する。

そのため、従来から R F I Dタグは、出来るだけ導電性部材から遠ざけて設置するのが一般的であった。

また、設置された R F I Dタグを外部からの応力や衝撃等から保護するために、その表面側を保護体で覆う必要があるが、保護体の外部からリードライト端末機等と R F I Dタグが通信を行うためには保護体の材料として通信のパリアになる導電性材料は使用出来ず、プラスチック等の非導電性材料を使用するのが一般的であった。

し力しながら、プラスチック等の非導電性材料は強度がそれ程高くないので、 R F I Dタグを十分に保護出来ない場合が多かった。例えば、 R F I Dタグを金属製のマンホールの蓋等に設置する場合には車両等の通過による交通荷重が絶えず印加されるので耐久性に問題があった。発明の開示

本発明は前記課題を解決するものであり、その第 1の目的は、保管、運搬及ぴ使用において、外部からの応力や衝撃等から有効に保護出来、且つ外部との通信を可能とした新しい R F I Dタグの収容構造を提供することである。

また、本発明の第 2の目的は、金属等の導電性部材に設置し、且つ、その表面側を強度が高く耐久性のある金属等の導電性材料で作られた保護体で覆つても、外部との通信が可能な新しい R F I Dタグの設置構造を提供することである。

更に本発明の第 3の目的は、周囲を金属等の導電性部材で覆われた状態の R F I Dタグの通信方法を提供することである。

本発明者等は R F I Dタグを機械的強度の大きい金属等の導電性材料で作られた容器内に収容しても、該容器に隙間等による磁束漏洩路を形成することにより、その磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して R F I Dタグとリードライト端末機等との間で通信が可能になるという新しい知見を基に本発明を完成したものである。即ち、 R F I Dタグとリードライト端末機等との間で電磁波を利用して通信を行う場合、その通信感度は、それ等機器の感度が大きく影響するが、最近、 R F I Dタグやリードライト端末機の感度のレベルはかなり高くなつてきており、僅力な磁束でも実用的な通信が可能である。

そのような、技術的な背景の基に、本発明者等は種々研究と実験を積み重ねた結果、 R F I Dタグを導電性材料で作られた容器内に収容すると、通信に使用する磁束の一部は導電性材料からなる容器の影響を受けて減衰するが、一部の磁束は導電性材料からなる容器内で閉じ込められた空間に存在することが出来、導電性材料からなる容器に磁束漏洩路を設けると、空間に存在する磁束の一部がその磁束漏洩路を通って外部に漏洩することが判明した。

そして、その漏洩磁束を利用して十分実用レベルでの通信が可能になることが判明した。

また、本発明者等は、 R F I Dタグを導電性部材に設置しても、磁束の一部は導電性部材の影響を受けて減少するものの、残りの磁束は導電性部材の設置面上の空間に分布し、その分布している磁束を利用してリードライト端末機等と通信をすることが可能であり、更に設置された R F I Dタグの表面側を導電性材料で作られた保護体で覆つても、該保護体と導電性部材との間等に微小な間隙からなる磁束漏洩路を形成すると、そこから導電性部材の設置面上の空間に分布する磁束の一部が外部に漏洩し、その漏洩磁束を利用して通信が出来ること等の知見を基に本発明を完成したものである。

更に、本発明者等は R F I Dタグの周囲を金属等の導電性部材で覆った状態であっても、導電性部材の一部に隙間等による磁束漏洩路を形成することにより、導電性部材の内外間の通信が可能になるという新しい知見を基に本宪明を完成したものである。

上述したような、技術的な背景の基に、本発明者等は種々研究と実験を積み重ねた結果、 R F I Dタグの周囲を導電性部材で覆うと、通信に使用する磁束の一部は導電性部材の影響を受けて減衰するが、一部の磁束は導電性部材で閉じ込められた空間に存在することが出来、導電性部材に磁束漏洩路を設けると、空間に存在する磁束の一部がその磁束漏洩路を通って外部に漏洩することが判明した。そして、それ等の漏洩磁束を利用して十分実用レベルでの通信が可能になることが判明した。

前記目的を達成するための本発明に係る R F I Dタグの収容構造は、アンテナコイルと制御部とを有する R F I Dタグが導電性材料で作られた容器に収容され、その容器に磁束漏洩路を形成したことを特徴とする。

上記構成によれば、 R F I Dタグから出る磁束は導電性材料で作られた容器の影響を受けるが、一部の磁束は磁束漏洩路を通って外部に漏洩するので、その漏洩磁束を利用してリードライト端末機等と通信出来る。

また、リードライト端末機等からの電磁波を構成する磁束の一部は磁束漏洩路を通って容器内に入り、 R F I Dタグのアンテナコイルで検出される。

従って、上記収容構造によれば、 R F I Dタグは機械的強度の大きい導電性材料で作られた容器で保護された状態であっても容器に形成した磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して R F I Dタグと容器の外部との間で通信を行うことが出来る。また、前記容器を分割可能な複数の分割体により構成し、その分割面、或いは該分割体自身の少なくとも一方に磁束漏洩路を形成することが出来、この場合には容器に収容する R F I Dタグの保守点検や交換等を容易に行なうことが出来る。また、前記容器を構成する分割体を、開口部を有する容器本体と、その開口部を覆う蓋体により構成し、該蓋体を固定手段により前記容器本体に固定することが出来る。この場合には磁束漏洩路を分割面に容易に形成することが出来ると共に、容器内への R F I Dタグの配置が容易に出来る。

また、前記蓋体を非導電性材料で作られたスぺーサを介して前記容器本体に前記固定手段により固定することが出来る。この場合には任意の寸法の磁束漏洩路を容易に形成することが出来る。

また、上記何れかの R F I Dタグの収容構造において、前記 R F I Dタグに接して非導電性材料で作られた緩衝材または断熱材を設けることが出来る。この場合には外部衝撃または外部温度の急変から R F I Dタグを有効に保護することが出来る。

また、前記分割体を開閉手段により互いに開閉可能に連結することが出来る。この場合には常時は開いて使用する容器が閉じている状態でも、容器内の R F I Dタグと外部のリードライト端末機 9等との間で通信を行なうことが出来る。

上記何れかの R F I Dタグの収容構造において、前記アンテナコイルをシリンダ状または同心円盤状に形成したものを使用することが出来る。これにより、容易に入手出来る R F I Dタグによって本発明に係る R F I Dタグの収容構造を構成出来る。

また、本発明に係る R F I Dタグの設置構造は、上記何れかの R F I Dタグの収容構造を導電性部材の設置面に設置したことを特徴とする。

上記設置構造によれば、導電性部材の管理を R F I Dタグによって容易に行なうことが出来る。特にシリンダ状のアンテナコイルを有し、棒状に形成された R F I Dタグは、極めて小型化出来るので導電性部材に許容される設置面積が小さい場合でも容易に設置出来る。

上記構成により、機械的強度の大きい金属等の導電性材料で作られた容器内に R F I Dタグを収容しても容器の外部からリードライト端末機等と R F I Dタグが通信を行なうことが出来る。

また、クレーム 9に記載した本発明に係る R F I Dタグの設置構造は、アンテナコイルと、制御部とを有する R F I Dタグを導電性部材に設置する構造であつて、前記 R F I Dタグを導電性部材の設置面に配置し、その R F I Dタグの表面側を導電性材料で作られた保護体で覆い、前記導電性部材と前記保護体との間または該保護体の少なくとも一方に磁束漏洩路を形成したことを特徴とする。' 上記構成によれば、 R F I Dタグから出た磁束の一部が導電性部材の設置面上に分布し、それが磁気漏洩路から外部に漏洩し、その漏洩磁束を利用して外部のリードライト端末機等と通信することが出来る。

また、リードライト端末機等の発信装置から出た磁束は磁束漏洩路から保護体内に入り、その一部が R F I Dタグのアンテナコイルで検出される。

従って、 R F I Dタグを導電性部材に設置し、機械的強度の大きい金属等の導電性材料で作られた保護体で保護した状態で外部と通信することが出来る。

また、前記保護体を板状の板体またはキャップ状のキヤップ体により形成することが出来る。保護体を板状にした場合には導電性部材の設置面と反対側の R F I Dタグの側面を保護することが出来、保護体をキヤップ状にした場合には R F I Dタグの表面側全てを覆うことが出来る。

また、前記導電性部材に設置溝部を形成し、その設置溝部の底面を設置面として前記 R F I Dタグを配置することも出来る。このように構成しても R F I Dタグから出た磁束の一部、若しくは R F I Dタグへ向かう磁束の一部は設置溝部の空間に分布し、それを利用して磁束漏洩路を通して通信することが出来る。

このようにすると、 R F I Dタグ及ぴ保護体を設置溝部から突出しないように設置出来る。

また、前記保護体を表面に収納部を形成したプロック体により形成し、その収納部に前記 R F I Dタグを収納し、前記導電性部材の設置溝部の底面からなる設置面側に前記保護体の収納部を対向させた状態で該保護体を設置溝部内に装着することが出来る。

このように保護体の収納部に R F I Dタグを収納して導電性部材の設置溝部に設置することにより R F I Dタグを精確に位置決めして設置することが出来る。また、シリンダ状のアンテナコイルを有し、且つ棒状に形成した前記 R F I D タグを、その軸方向を前記導電性部材の設置面と平行にし、且つ該設置面に略接して配置することが出来る。

このように設置しても R F I Dタグから出た磁束の一部、若しくは R F I Dタグへ向かうの磁束の一部は設置溝部の空間に分布し、それを利用して磁束漏洩路を通して通信することが出来る。

シリンダ状のアンテナコイルを有し、棒状に形成された R F I Dタグは、極めて小型化出来るので導電性部材に許容される設置面積が小さい場合でも容易に設置出来る。

また、シリンダ状のアンテナコイルを有し、且つ棒状に形成した前記 R F I D タグを、その軸方向を前記導電性部材の設置溝部の底面からなる設置面に対して傾斜させて配置することも出来る。

このように構成すると、導電生部材の設置溝部の底面からなる設置面の上方空間に磁束の一部を分布させることが出来、それを利用して磁束漏洩路を通して通信することが出来る。しかも、設置面の投影断面をより小さくすることが出来る。また、同心円盤状のアンテナコイルを有する前記 R F I Dタグを、そのアンテナコィル面を前記導電性部材の設置面に平行にして配置し、前記導電性部材と前記保護体との間または該保護体の少なくとも一方に磁束漏洩路を形成することが出来る。

このように構成すると、同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグであっても設置面或いは設置溝部の上方空間に磁束の一部を分布させることが出来、それを利用して磁束漏洩路を通して通信することが出来る。

また、上記何れかの設置構造において、固定手段により前記保護体を前記導電性部材に固定することが出来る。これによつて、保護体を安定化して導電性部材に固定することが出来る。

また、前記固定手段により前記保護体を非導電性材料で作られたスぺーサを介して前記導電性部材に固定することが出来る。これによつて任意の寸法の磁束漏洩路を容易に形成することが出来る。

更に上記何れかの設置構造において、非導電性材料で作られた緩衝部材または断熱材を前記 R F I Dタグに接レて設けることが出来る。これによつて外部衝撃または外気温度の急変から R F I Dタグを有効に保護することが出来る。

また、本発明に係る R F I Dタグの通信方法は、アンテナコイルと制御部とを有する R F I Dタグの周囲を導電性部材で覆った状態で通信する方法であって、前記導電性部材に磁束漏洩路を形成し、その磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して前記 R F I Dタグと前記導電性部材の外部との間で通信を行うように構成したことを特徴とする。

上記通信方法によれば、 R F I Dタグの周囲を導電性部材で覆った状態であつても該導電性部材に形成した磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して R F I Dタグと導電性部材の外部との間で通信を行うことが出来る。

また、前記 R F I Dタグを導電性材料で作られた設置部材に設置し、該 R F I Dタグの表面側を導電性材料で作られた保護体で覆うことによって、該 R F I D タグの周囲を前記設置部材と前記保護体からなる導電性部材で覆つた状態としても該設置部材と該保護体の間、或いは該保護体の少なくとも一方に形成した磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用レて通信を行うことが出来る。

また、前記設置部材に設置溝部を形成し、その設置溝部に前記 R F I Dタグを設置することも出来る。

また、導電性材料で作られた容器内に前記 R F I Dタグを収容することによつて該 R F I Dタグの周囲を前記容器からなる導電性部材で覆った状態としても該容器に設けた磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して通信を行うことが出来る。また、前記容器を分割可能な複数の分割体により構成し、その分割面、或いは該分割体自身の少なくとも一方に磁束漏洩路を形成することが出来る。

また、開口部を有する容器本体と、その開口部を覆う蓋体により容器を構成することも出来る。

また、前記分割体を開閉手段により互いに開閉可能に連結することも出来る。また、本発明に係る R F I Dタグの他の通信方法は、アンテナコイルと制御部とを有する R F I Dタグの通信方法であって、板状とされた複数の導電性部材が積み重ねられ、各導電性部材の表面に R F I Dタグが設置され、各導電性部材の間に磁束漏洩路を形成し、その磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して前記 R F I Dタグと前記導電性部材の外部との間で通信を行うように構成したことを特徴とする。

上記通信方法によれば、板状とされた複数の導電性部材が積み重ねられた場合でも各導電性部材の表面に R F I Dタグを設置し、各導電性部材の間に磁束漏洩路を形成することで、その磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して R F I Dタグと導電性部材の外部との間で通信を行うことが出来る。

また、前記アンテナコイルをシリンダ状または同心円盤状に形成した場合には好ましい。特にシリンダ状のアンテナコイルを有し、棒状に形成された R F I D タグは、極めて小型化出来るので導電性部材に許容される設置面積が小さい場合でも容易に設置出来る。

また、同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグを、そのアンテナコィル面を導電性部材の設置面に平行にレて配置し、保護体に磁束漏洩路を形成することで磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用レて R F I Dタグと導電性部材の外部との間で通信を行うことが出来る。

図面の簡単な説明

図 1は本発明に係る R F I Dタグの収容構造により導電性材料で作られた容器内に収容した R F I Dタグを導電性部材であるガスボンベに取り付けて利用する様子を示す図である。

図 2は導電性材料で作られた断面方形状の容器本体の開口部に収容配置された R F I Dタグを一部が該開口部内に挿入される凸部を有する板状の蓋体により覆う様子を示す分解説明図である。

図 3は図 2の板状の蓋体を各種の固定手段により容器本体に固定した様子を示す断面説明図である。

図 4はシリンダ状のアンテナコイルを有する R F I Dタグの構成を示す正面説明図である。

図 5は R F I Dタグの制御系の構成を示すブロック図である。

図 6はシリンダ状のアンテナコイルを有する R F I Dタグに発生する磁界の様子を示す模式図である。

図 7は導電性材料で作られた断面円形状の容器本体の開口部に収容配置された R F I Dタグを一部が該開口部内に挿入される凸部を有する板状の蓋体により覆う様子を示す分解説明図である。

図 8は導電性材料で作られた容器本体の開口部に収容配置された R F I Dタグを平坦な板状の蓋体により覆う様子を示す断面説明図である。

図 9は板状の蓋体に直線状のスリットを形成した場合の一例を示す分解説明図である。

図 10は本発明に係る R F I Dタグの収容構造、設置構造及ぴ通信方法をノート型パソコンに適用した場合の一例を示す斜視説明図である。

図 11 は本発明に係る R F I Dタグの収容構造、設置構造及ぴ通信方法をノート型パソコンに適用した場合の一例を示す平面説明図及び側面説明図である。図 12は導電性材料で作られた容器本体の開口部に収容配置された同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグを一部が該開口部内に挿入される凸部を有する蓋体により覆う様子を示す分解説明図である。

図 13は図 12の蓋体を固定手段により容器本体に固定した様子を示す断面説明図である。

図 14は同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグの構成を示す正面及び側面説明図である。

図 15は同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグに発生する磁界の様子を示す模式図である。

図 16は板状の蓋体に各種のスリットを形成した場合の一例を示す分解説明図である。

図 17は導電性部材の設置溝部に配置された R F I Dタグを一部が該設置溝部内に挿入される凸部を有する板状の保護体により覆う様子を示す分解説明図である。

図 18は図 17の板状の保護体を各種の固定手段により導電性部材に固定した様子を示す断面説明図である。

図 19は板状の保護体に直線状のスリツトを形成した場合の一例を示す分解説明図である。

図 20はシリンダ状のアンテナコイルの軸方向を導電性部材の設置溝部の底面に対して傾斜させて配置した様子を示す断面説明図である。

図 21は導電性部材の設置溝部に配置された R F I Dタグを、該 R F I Dタグを収納する収納部を形成したキャップ体からなる保護体により覆った様子を示す断面説明図である。

図 22は設置溝部及びキヤップ体が断面円形状に構成された場合の一例を示す分解説明図である。 ' 図 23は固定手段の一例としてネジ止めによりキャップ体からなる保護体を導電性部材の設置溝部内に装着する様子を示す分解説明図である。

図 24は断面円形状のキャップ体からなる保護体のシリンダ状アンテナコイルの軸方向に切り欠きを設けた様子を示す分解説明図である。

図 25は断面円形状のキャップ体からなる保護体のシリンダ状アンテナコイルの軸方向に表面側に連続する断面 L字状の切り欠きを設けた様子を示す分解説明図である。

図 26はプロック体の収納部に R F I Dタグを収納し、設置面側に該収鈉部を対向させた状態で設置溝部内に装着する様子を示す分解説明図である。

図 27 は導電性部材の設置溝部に配置された同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグを一部が該設置溝部内に揷入される凸部を有する板状の保護体により覆う様子を示す分解説明図である。

図 28は図 27の板状の保護体を固定手段により導電性部材に固定した様子を示す断面説明図である。

図 29は板状の保護体に各種のスリットを形成した場合の一例を示す分解説明図である。

図 30 ( a ) は本発明に係る R F I Dタグの通信方法を鋼板を複数重ねたものに ' 適用した場合の一例を示す側面説明図、（b )は本発明に係る R F I Dタグの通信方法を鋼板を複数重ねたものに適用した場合の一例を示す斜視説明図である。発明を実施するための最良の形態

図により本発明に係る R F I Dタグの収容構造、設置構造及び通信方法の各実施形態を具体的に説明する。図 1〜図 11 は導電性材料で作られた容器に収容されたシリンダ状のアンテナコイルを有する R F I Dタグの収容構造、設置構造及び通信方法を説明する図であり、図 12〜図 16は導電性材料で作られた容器に収容された同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグの収容構造、設置構造及び通信方法を説明する図である。

先ず、図 1〜図 11 を用いて導電性材料で作られた容器に収容されたシリンダ状のアンテナコイルを有する R F I Dタグの収容構造、設置構造及び通信方法について説明する。

以下の各実施形態で好適に採用される R F I Dタグ 1 a , 1 bは、電磁結合方式、電磁誘導方式の R F I Dタグであり、以下の各実施形態では、電磁誘導方式の R F I Dタグを用いた場合の一実施形態について以下に説明する。図 1〜図 11に示す RF I Dタグ 1 aは、シリンダ状のアンテナコイル 2 aと、制御部となる半導体 I Cチップ 4とがプリント回路基板等を介さずに直結して一体的に形成されており、これにより RF IDタグ 1 aの小型化を実現している。単線卷きでシリンダ状に形成されたアンテナコイル 2 aの内部には軸方向（図 4の左右方向）に鉄心やフェライト等の円柱状のコア部材 3が揷入されており、アンテナコイル 2 a、コア部材 3、半導体 I Cチップ 4等が一体的に形成されて全体が棒状に構成されている。

半導体 I Cチップ 4は I C (半導体集積回路）チップや LS I (半導体大規模集積回路）チップ等の一体的にパッケージされて構成されたものであり、該半導体 I Cチップ 4の内部には、図 5に示すように、制御部となる CPU4 a、記憶部となるメモリ 4b、送受信機 4 c及び蓄電手段となるコンデンサ 4 dが設けられている。

図 1に示すリードライト端末機 9から発信された信号は、送受信機 4 cを介して CPU 4 aに伝達され、電力はコンデンサ 4 dに蓄電される。尚、蓄電手段となるコンデンサ 4 dが無く、外部のリ一ドライト端末機 9から連続的に半導体 I Cチップ 4に電力が供給されるものでも良い。

CPU 4 aは中央演算処理装置であり、メモリ 4 bに格納されたプログラムや各種データを読み出し、必要な演算や判断を行い、各種制御を行うものである。メモリ 4 bには CPU4 aが動作するための各種プログラムや RF I Dタグ 1 a, 1 bが詳しくは後述する導電性材料で作られた容器 A内に収容され、該容器 Aが設置された導電性部材を含む製品や部品等に関する履歴データや口ット管理データ等の各種情報が記憶されている。

本実施形態の R F I Dタグ 1 a , 1 bは、無線周波が 1波の振幅偏移変調（A S K； Amplitude Shift Keying)の無線通信方式を使い、共振周波数帯域も広い、線径も数十ミクロンの空心或いはコア部材 3を有するアンテナコイル 2 a, 2 b で特殊な送受信回路を組み込んだ消費電力の非常に少ない CMOS— I Cを使つた RF IDタグ l a, l bを採用レた。この RF IDタグ l a， l bは振幅偏移変調（A S K) の無線通信方式を使用している。このような ASK方式を使用することによって、 FSK方式のように導電性部材の影響を受けて周波数ずれを生じ、受信電力が低下したり通信信号に乱れを発生するおそれが極めて少なく、磁束漏洩路 12からの洩れ磁束で安定して通信を行うことが可能になる。

ASKの無線通信方式において使用する周波数は、通信感度（通信距離）の点から 50kHz〜500kHzの範囲が好ましく、より好ましくは 100kHz〜4 00kHzの範囲を使用する。なお本発明の実施形態では 125kHzの A S K通信方式を採用した。

更に、本発明者等が行った実験結果によれば、磁界 Hは狭い隙間であっても回折現象により狭い隙間から伝搬することが判明したものであり、所定の僅かな間隙を形成することにより RF I Dタグ 1 a, l bと外部のリードライト端末機 9 等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来ることを見い出したものである。

尚、 RF I Dタグ l a, 1 bの通信や電力搬送を行う際に生じる磁界 Hにより渦電流を発生して元の磁束を減衰する反対方向の磁束を発生し、通信に影響を及ぼす導電性材料としては、ステンレス板、銅板、アルミユウム板の他に鉄、コパルト、ニッケル、及びそれ等の合金、フェライト等の強磁性を有する金属、或いはアルミニウム、銅、クローム等の常磁性を有する金属、更には導電性プラスチック等が適用可能である。

導電性部材の電気抵抗値が低いほど磁界 Hの変化により発生する渦電流は大きくなる。したがって、本発明は電気抵抗の比較的高い鉄またはステンレス等の鉄系合金からなる導電性部材に適用することが通信感度（通信距離）の点から有利である。

図 4に示すように、 RF I Dタグ 1 aはアンテナコイル 2 aの径方向の外径 D ₂に応じた外径!） ,を有する非導電性材料となるガラス材料で作られたガラス容器 6により封止して全周が覆われている。本実施形態で採用した RF I Dタグ 1 aのガラス容器 6の軸方向の長さは 7mn！〜 15. 7mm程度であり、外径は 2. 1 2nm！〜 4. 12mm程度である。従って、導電性材料で作られた分割可能な複数の分割体となる容器本体 5 の開口部 7は RF I Dタグ 1 aの長さ 1^及び外径に応じた大きさで形成される。また、 RF I Dタグ 1 aの重量は、 55mg〜40 Omg程度である。

以下に本実施形態で採用した RF I Dタグ 1 aのガラス容器 6の軸方向の長さ外径及ぴアンテナコイル 2 aの軸方向の長さ L₂、外径 D₂の一例を示す。【表 1】

アンテナコイル 2 aの一例としては、例えば、直径 30 ;zm程度の銅線が単線卷きで径方向に多重層で軸方向にシリンダ状に巻かれており、そのアンテナコィル 2 aの内部にコア部材 3が有る状態でのインダクタンスは 9. 5mH (周波数 125kHz) 程度で、アンテナコイル 2 aに共振用に別途接続されたコンデンサの静電容量は 17 OpF (周波数 125kHz) 程度であった。

一方、図 1において、 16は製品管理される物品の一例として、酸素ガスゃァセチレンガス等を収容した金属製の導電性部材からなるガスボンベであり、該ガスボンべ 16には、内部に本発明に係る収容構造により RF I Dタグ 1 a, l bを収容した導電十生材料で作られた容器 Aが取り付けられている。

RF I Dタグ l a， 1 bには各ガスボンベ 16に付与された固有の I Dコード番号が記憶されており、リードライト端末機 9を利用して R F I Dタグ 1 a , 1 bに記憶された I Dコード番号を読み出してガスボンベ 16の製品管理が出来るようになっている。

図 2に示す導電性材料で作られた容器 Aは 2分割された断面方形状の容器本体 5と、該容器本体 5の開口部 7を覆う蓋体 11 からなり、 R F I Dタグ 1 aを容器本体 5の開口部 7の内部に収容し、更に非導電性材料である樹脂 8等を充填し、該容器本体 5と蓋体 11とを互いに接合して固定手段となるビス 10により固定することで R F I Dタグ 1 aを覆って保護する。

尚、導電性材料で作られた容器 Aは他の複数の分割体により多分割されたものを接合して R F I Dタグ 1 aを内部に収容するように構成したものであっても良レ、。

R F I Dタグ 1 aは容器本体 5の開口部 7に挿入され、その軸方向（図 3の左右方向）を該開口部 7の設置面となる底面 7 aと平行にして該底面 7 aに略接するようにしてスぺーサ等を介さずに直に設置される。

開口部 7内に埋設された R F I Dタグ 1 aのガラス容器 6の外周には非導電性材料である樹脂 8や接着剤等を充填して固定する。尚、開口部 7内に埋設された R F I Dタグ 1 aの外周に非導電性材料で作られたスポンジゃガラスゥール等の緩衝材ゃ断熱材を該 R F I Dタグ 1 aに接して設けても良い。

開口部 7内に収納された R F I Dタグ 1 aの表面側には金属製等の導電性材料で作られた断面方形状の蓋体 11 が配置されて R F I Dタグ 1 aの表面側が覆われ、該蓋体 11が固定手段となるビス 10により容器本体 5に固定されている。

R F I Dタグ 1 aを容器本体 5と蓋体 11からなる容器 Aに収容して周囲を覆つた状態とし、該容器本体 5と蓋体 11 との分割面となる接合面からなる磁束漏洩路 12を形成し、該磁束漏洩路 12を通る漏洩磁束を利用して通信を行うように構成したものである。

R F I Dタグ l aは、その本体が棒状に構成され、開口部 7は該 R F I Dタグ 1 aの大きさに応じた断面方形状で構成されている。蓋体 11 は中央部に開口部 7の形状に応じた形状を有する方形状の嵌合部 11 aが開口部 7側に突出しており、該嵌合部 11 aを開口部 7に嵌合することで位置決めがされ、蓋体 11の鍔部 li bに形成された貫通穴 11 cを介して容器本体 5に設けられたタップ穴 5 aに固定手段となるビス 10を螺合締着することで蓋体 11が容器本体 5に固定される。尚、固定手段としては、容器本体 5にタップ穴 5 aを設けずにビス 10 としてタッピングビスを用いて固定しても良い。

また、 R F I Dタグ 1 aはガラス容器 6の代わりに樹脂等で封止したものを更に非導電性材料からなる樹脂 8や接着剤等を充填して固定しても良い。

図 6はフリーの状態の R F I Dタグ 1 aから発生する磁界 Hの様子を示す。

R F I Dタグ 1 aのアンテナコイル 2 aの軸方向の端部と、ガラス容器 6の軸方向の端部とは上記表 1に示した Lい L ₂の寸法差に応じた位置関係にあり、図 2及ぴ図 3に示す開口部 7の側面 7 bと、アンテナコイル 2 aの軸方向の端部との間に所定の離間間隔が形成され、これによりアンテナコイル 2 aを貫く磁束が形成され易く、磁界 Hの形成に寄与する。

また、図 3 ( a ) に示すように、ビス 10により固定される容器本体 5と、蓋体 11 との間には互いに当接する分割面となる接触面が形成され、この接触面により磁束を漏洩させる磁束漏洩路 12が形成される。

上記の磁束漏洩路 12を形成するための間隙は、所望の漏洩磁束の大きさにより変化させ、例えば、ビス 10の締付力または接触面の粗面の程度等によって調整される。粗面化により磁束漏洩路 12 を形成させる場合には、対向する両表面は互いに分散接触し、磁束漏洩路 12は分散する非接触部分を利用して形成される。

接触面の表面粗度は、互いに対向する表面の一方の表面粗度が 0. 0 4 / m程度に加工され、これにより接触面の隙間として 0 . 0 8 μ ηι程度が形成され、所望の電磁波の漏洩度が確保される。

また、図 3 ( b ) では、容器本体 5と、蓋体 11 との間にゴムや樹脂等の非導電性材料で作られたスぺーサ 13を介在させて固定手段となるビス 10により固定したもので、比較的大きな厚さの磁束漏洩路 12が確保出来る。

蓋体 11と容器本体 5との間に非導電性材料からなるスぺーサ 13を介在させた場合には、密封性を確保しつつ、且つ容器本体 5と蓋体 11 との間に形成される非導電性材料により漏れ磁束が多くなるため好ましい。

また、図 3 ( c ) では、容器本体 5と、蓋体 11 とを、固定手段となる非導電性材料からなる接着剤 14により固定したもので、接着による略平滑な分割面となる接触面が形成され、この接触面により磁束を漏洩させる磁束漏洩路 12が形成される。

また、蓋体 11を容器本体 5に対して接着剤 14により固定した場合には、簡単な構成で固定出来、蓋体 11と容器本体 5との間に介在する接着剤 14の層により密封性を確保しつつ、且つ容器本体 5と蓋体 11 との間に非導電性材料からなる物理的な磁束漏洩路 12が形成されるため漏れ磁束が多くなる。

尚、蓋体 11と容器本体 5との間にスぺーサ 13を介在させて接着剤 14により蓋体 11とスぺーサ 13と容器本体 5とを接着しても良い。

本発明者等が行った実験結果によれば、磁界 Hは狭い隙間であっても回祈現象により狭い隙間から伝搬することが判明したものであり、上述のような物理的な僅かな隙間である磁束漏洩路 12 を実用的なレベルで送受信可能な量の磁束が漏洩し得るように形成し、それを検証することで R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来ることを見い出したものである。

尚、磁束漏洩路 12の経路長と該磁束漏洩路 12の間隙幅（平均間隙幅）は外部のリードライト端末機 9との間に電磁波の送信が可能な最低値以上有れば良く、 0 . 0 8 μ πι程度の間隙幅（平均間隙幅）があれば十分である。

R F I Dタグ 1 aを収容して全外周表面を覆う容器 Aを構成する複数の分割体となる容器本体 5及び蓋体 11が導電性材料で作られ、該容器本体 5と蓋体 11との間に磁束漏洩路 12が形成されたことで、外部からの応力や衝撃に対して一層強いものとなり、且つ磁束漏洩路 12を介して電磁波が漏洩し、 R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来る。

従って、 R F I Dタグ 1 aを容器本体 5に設けた表面側が開放された開口部 7 の底面 7 aに略密着して直付けで設置し、更に開口部 7の表面側を金属製等の導電性材料で作られた蓋体 11 により覆っても図 3 ( a ) 〜（c ) に示すように、容器本体 5の表面側に漏れ磁束による磁界 Hが発生しており、磁束漏洩路 12 を通る漏洩磁束を利用して容器本体 5と蓋体 11 とにより構成される容器 Aに収容された状態の R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で通信が出来る。

図 2に示す開口部 7は方形状の蓋体 11 に対応して断面方形状で形成した一例であるが、図 7に示すように円盤状の容器本体 5と蓋体 11 とを用意し、該容器本体 5に断面円形状の開口部 7を形成して R F I Dタグ 1 aを収容設置することでも良い。

これ等は予め開口部 7を想定して容器本体 5の形状を製作するか、図 2の開口部 7はドリル等で複数の穴を連続的に並設して断面方形状の開口部 7を形成することも可能である。また、図 7に示す断面円形状の開口部 7ではドリル等により容易に形成することが出来る。

また、アンテナコイル 2 aにより形成される磁束の方向が、蓋体 11 と、容器本体 5との分割面である接合面と一致した方向（図 3の左右方向）に配置されており、これにより漏れ磁束の回折現象による伝搬が効果的に出来、容器 Aの外部に形成される磁界 Hの形成に寄与する。

上記構成によれば、 R F I Dタグ 1 aから出た磁束の一部が容器本体 5の設置面である底面 7 a上に分布し、それが磁気漏洩路 12から外部に漏洩し、その漏洩磁束を利用して蓋体 11 の外部のリードライト端末機 9と通信することが出来る。

また、リードライト端末機 9等の発信装置から出た磁束は磁束漏洩路 12から蓋体 11 で覆われた開口部 7内に入り、その一部が R F I Dタグ 1 aのアンテナコィノレ 2 aで検出される。

従って、 R F I Dタグ 1 aを容器本体 5の開口部 7内に収容して設置し、機械的強度の大きい金属等の導電性材料で作られた蓋体 11 で保護した状態で外部と通信することが出来る。

また、容器本体 5に開口部 7を形成し、その開口部 7の底面 7 aを設置面として R F I Dタグ 1 aを配置したことで、 R F I Dタグ 1 aから出た磁束の一部、若しくは R F I Dタグ 1 aへ向かう磁束の一部は開口部 7の空間に分布し、それを利用して磁束漏洩路 12を通して通信することが出来る。

また、容器本体 5と蓋体 11 からなる容器 Aに R F I Dタグ 1 aを収容することで該 R F I Dタグ 1 aの保全を確保することが出来、容器 Aを設けた製品に外力が作用して衝撃を受けても R F I Dタグ 1 aが破損する等の虞が無い。

また、容器本体 5に対して蓋体 11をビス 10や接着剤 14で固定する以外にも、スライド式等で開閉可能なシャッター構造やヒンジ部材等を介して回動して開閉可能な構造としても良い。

図 8は、蓋体 11が開口部 7側に突出した前記実施形態の嵌合部 11 aを除去した平板からなるものであり、該蓋体 11 が容器本体 5に対して直に当接され、固定手段となるビス 1Qにより固定された一例を示す。

尚、前記実施形態と同様に蓋体 11 と容器本体 5との間に非導電性材料からなるスぺーサ 13を介在させたり、接着剤 14により蓋体 11を容器本体 5に接着することでも良い。

尚、図示しないが蓋体 11 の中央部に容器本体 5の開口部 7に対応して該開口部 7と反対側に上方に突出した方形状の箱部を設け、該箱部の內部に開口部 7に対向した収納部を形成し、この収納部に R F I Dタグ 1 aの一部を収納しても良レ、。

そして、容器本体 5の開口部 7と蓋体 11 の収納部の内部に R F I Dタグ 1 a を収納し、容器本体 5の開口部 7側に蓋体 11 の収納部を対向させた状態で該蓋体 11 を容器本体 5に固定手段となる図示しないポルト及びナツトにより固定して R F I Dタグ 1 aを収容して覆っても良い。

尚、この場合も前述と同様に、蓋体 11 と容器本体 5との間に非導電性材料からなるスぺーサ 13を介在させたり、接着剤 14により蓋体 11を容器本体 5に接着しても良い。

また、容器本体 5の開口部 7や蓋体 11 の収納部に緩衝材ゃ断熱材を介在させて R F I Dタグ 1 aを保護することで、より効果的に R F I Dタグ 1 aの保全を確保すると共に温度の安定化を図ることで R F I Dタグ 1 aの性能の安定化を図ることが出来る。

図 9は平板状の蓋体 11 を貫通してシリンダ状に形成されたアンテナコイル 2 aを有する R F I Dタグ 1 aの軸方向と一致する方向で該アンテナコイル 2 aの長さ L ₂に応じた長さを有する磁束漏洩路となるスリット li eを設けたものである。尚、スリット 11 eは非導電性材料からなる接着剤や充填材で閉鎖することも出来る。

蓋体 11に形成した磁束漏洩路となるスリット li eを介して漏れ磁束が回折して発生し、開口部 7の設置面となる底面 7 aの上部に磁界 Hが形成される。これにより R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信する効果をより向上することが出来る。

尚、蓋体 11以外にも容器本体 5等の分割体自身にもスリット等の磁束漏洩路を形成しても良い。

図 10及び図 11において、 21は導電性材料で作られた複数の分割体により構成される容器となるノート型パソコンであり、外装が導電性部材となる金属ケースにより覆われている。

ノート型パソコン 21はキーポード 21alが設けられた導電性材料で作られた本体側 21 aと、液晶ディスプレイ 21blが設けられた導電性材料で作られた蓋側 21 bとが分割体容器として構成され、開閉手段であって回動軸となるヒンジ部材 21 cを介して回動して互いに開閉可能に連結されている。ノート型パソコン 21は、図 11 ( b ) に示すように、本体側 21 aと蓋側 21 b とが互いの面 21a2, 21b2を対向して閉じられ、且つ蓋側 21 bが本体側 21 aに対して開放出来る物品の一例である力 S、他に同様な構造の携帯情報端末機 (モパイルパソコン)や携帯電話機等各種の物品の製品管理にも適用可能である。

ノート型パソコン 21の蓋側 21 bの面 21b2と、本体側 21 aの面 21a2との間には、 R F I Dタグ 1 aが配置されている。 R F I Dタグ 1 aのメモリ 4 bに、例えば、 R F I Dタグ 1 aが設けられるノート型パソコン 21 の履歴データや口ット管理データ等が記憶されている。

尚、 R F I Dタグ 1 _aにノート型パソコン 21の固有のコード情報が記憶されており、その固有のコード情報をリードライト端末機 9等により読み出して別のデータベースから履歴データや口ット管理データ等を閲覧することも可能である。本実施形態では、蓋側 21 bの面 21b2に R F I Dタグ 1 aが非導電性材料からなる接着材ゃ粘着材等により固定され、本体側 21 aの面21a2のR F I Dタグ 1 aに応じた部位に該 R F I Dタグ 1 aの大きさに応じた凹部 21a3が形成されている。

そして、図 11 ( a )に示すように本体側 21 aの面 21a2と、蓋側 21 bの面 21b2 との間に形成される微小な隙間である磁束漏洩路 12から発生する漏れ磁束により形成される磁界 Hを利用して R F I Dタグ 1 aに記憶された情報をリードライト端末機 9等により取り出すことが出来る。

本体側 21 aの面 21a2と、蓋側 21 bの面 21b2とにより形成される微小な隙間である磁束漏洩路 12が R F I Dタグ 1 aのアンテナコイル 2 aの軸方向に開放した状態で形成されるため、これによりアンテナコイル 2 aを貫く磁束が形成され易く、磁界 Hの形成に寄与する。

磁界 Hは本体側 21 &の面21&2と、蓋側 21 bの面 21b2とにより形成される微小な隙間である磁束漏洩路 12から伝搬することが出来、その磁束漏洩路 12から発生する漏れ磁束により、 R F I Dタグ 1 a，と外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信して R F I Dタグ 1 aに記憶された情報を取り出すことが出来るものである。

従って、外装が金属ケースからなるノート型パソコンや携帯情報端末機（モパィルパソコン）、携帯電話機等、一方を開放して見開きに出来るこれ等と同様の形態を有する各種の物品において、一方と他方との間に R F I Dタグ 1 aを配置し、該 R F I Dタグ 1 aに記憶された情報を取り出すことで製品管理を行うことが出来る。

従って、梱包された製品を再検査する場合でも梱包材の外側から R F I Dタグ aに記憶された情報を取り出すことが出来、一旦梱包された製品の梱包材を解く必要がないため、作業性が良い。

次に、図 12〜図 16を用いて導電性材料で作られた容器に収容される同心円盤状のアンテナコイル 2 bを有する R F I Dタグ 1 bの収容構造、設置構造及ぴ通信方法について説明する。尚、前記シリンダ状のアンテナコイル 2 aを有する R F I Dタグ 1 aと同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図 12は導電性材料で作られた容器本体の開口部に収容配置された同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグを一部が該開口部内に挿入される凸部を有する蓋体により覆う様子を示す分解説明図、図 13は図 12の蓋体を固定手段により容器本体に固定した様子を示す断面説明図である。

また、図 14は同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグの構成を示す正面及び側面説明図、図 15は同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I D タグに発生する磁界の様子を示す模式図である。

また、図 16は板状の蓋体に各種のスリツトを形成した場合の一例を示す分解説明図である。

図 12〜図 16に示す R F I Pタグ 1 bも同心円盤状のアンテナコイル 2 bと、制御部となる半導体 I Cチップ 4とがプリント回路基板等を介さずに直結して一体的に形成されており、これにより R F I Dタグ 1 bの小型化を実現している。尚、 R F I Dタグ 1 bの制御系の構成は図 5に示して前述したと同様である。図 14に示す R F I Dタグ 1 bの内部には、単線巻きで径方向に多重層をなして同心円盤状に卷かれて形成されたアンテナコイル 2 b、半導体 I Cチップ 4等がー体的に樹脂 31により封止されて全体が円盤状に構成されている。

RF I Dタグ 1 bはアンテナコイル 2 の径方向の外径 D₄に応じた外径 D₃ を有する樹脂 31により封止されている。

以下に本実施形態で採用した RF I Dタグ 1 bの樹脂 31の外径 D₃、及びアンテナコイル 2 bの外径 D₄及ぴアンテナコイル 2 bの内径 D₅の一例を示す。

【表 2】

また、 RF I Dタグ 1 bの樹脂 31の厚さ Tは 0. 7mn！〜 12. 0 mm程度であり、 RF I Dタグ 1 bの重量は、 0. 7g〜5. 2g程度である。

アンテナコイル 2 bの一例とレては、直径 30 i in程度の銅線が単線卷きで径方向に多重層をなして同心円盤状に巻かれており、そのアンテナコイル 2 bのィンダクタンスは 9. 5mH (周波数 125kHz) 程度で、アンテナコイル 2 bに共振用に別途接続されたコンデンサの静電容量は 17 OpF (周波数 125kHz) 程度であった。

図 15はフリーの状態の RF I Dタグ 1 bから発生する磁界 Hの様子を示す。一方、容器本体 5には RF I Dタグ 1 bの大きさに応じた断面円形状の開口部 7が形成されており、 RF IDタグ l bが、そのアンテナコイル面を容器本体 5 の設置面となる底面 7 aに平行にして配置し、該容器本体 5と、金属製等の導電性材料で作られた蓋体 11との間に磁束漏^路 12が形成される。図 12及び図 13に示す蓋体 11は中央部に開口部 7の形状に応じた形状を有する円柱形状の嵌合部 11 aが開口部 7側に突出しており、該嵌合部 11 aを'開口部 7に嵌合することで位置決めがされ、蓋体 11の鍔部 li bに形成された貫通穴 11 cを介して容器本体 5に設けられたタップ穴 5 aに固定手段となるビス 10を螺合締着することで蓋体 11 が容器本体 5に固定される。尚、容器本体 5にタップ穴 5 aを設けずにビス 10としてタッピングビスを用いて固定しても良い。

尚、 R F I Dタグ 1 bも樹脂 31 の代わりにガラス容器に封止されたものでも良い。また、 R F I Dタグ 1 bを可撓性の合成樹脂等により封止して R F I Dタグ 1 bの本体自体が緩衝材を兼ねるように構成したものであっても良い。

尚、図 13には容器本体 5の開口部 7の内部に収容された R F I Dタグ 1わから発生する磁界 Hの様子を併せて図示したものである。

尚、図示しないが、蓋体 11 は平板からなるものであっても良いし、収納部を形成した箱部を有して構成したものであっても良い。また、容器本体 5と蓋体 11 との間にスぺーサ 13を介在させたり、接着剤 14により固定することでも良い。また、固定手段はボルト及ぴナットにより固定するものであっても良い。

また、容器本体 5の開口部 7や蓋体 11 の収納部に緩衝材ゃ断熱材を介在させて R F I Dタグ 1 bを保護することで、より効果的に R F I Dタグ 1 bの保全を確保すると共に温度の安定化を図ることで R F I Dタグ 1 bの性能の安定化を図ることが出来る。

図 16 ( a ) は円盤状の蓋体 11を貫通して同心円盤状に形成されたアンテナコィル 2 bを有する R F I Dタグ 1 bの径方向と一致する方向でアンテナコイル 2 bの中心に対応する部位から放射状にアンテナコイル 2 bの外径 D ₄に応じた長さを有するスリット li eを磁束漏洩路として設けたものである。尚、スリット 11 eは非導電性材料からなる接着剤や充填材で閉鎖することも出来る。

また、図 16 ( b ) はアンテナコイル 2 bの径方向に磁束漏洩路として 1本だけスリット li eを設けたものである。尚、スリット li eは非導電性材料からなる接着剤や充填材で閉鎖することも出来る。同心円盤状のアンテナコイル 2 bを有する R F I Dタグ 1 bから発生した漏れ磁束は磁束漏洩路 12や磁束漏洩路となるスリット 11 eを通して回折現象により容器本体 5の設置面となる底面 7 aの上部に磁界 Hを形成し、外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来る。

尚、前述の蓋体 11 は容器本体 5に対してビス止め接合や接着剤接合により固定する以外にも嵌め合い接合、カシメ接合、ネジ嵌合接合、シーム接合、粘着材接合により磁束漏洩路を実用的なレベルで送受信可能な量の磁束が漏洩し得るように固定することでも良い。シーム結合とは金属板同士の間に高密度ポリエチレン等を介して接合部位を共巻きにして接合されたものである。

次に R F I Dタグ 1 a , l bを導電性部材に設置する場合の設置構造及び通信方法の各実施形態を具体的に説明する。図 17〜図 26はシリンダ状のアンテナコィルを有する R F I Dタグを導電性部材に設置する場合の設置構造並びに通信方法を説明する図であり、図 27〜図 29は同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグを導電性部材に設置する場合の設置構造並びに通信方法を説明する図である。

先ず、図 17〜図 26を用いてシリンダ状のアンテナコイルを有する R F I Dタグを導電性部材に設置する場合の設置構造並びに通信方法について説明する。図 17 は導電性部材の設置溝部に配置された R F I Dタグを一部が該設置溝部内に挿入される凸部を有する板状の保護体により覆う様子を示す分解説明図、図 18 は図 17の板状の保護体を各種の固定手段により導電性部材に固定した様子を示す断面説明図である。

また、図 19 は板状の保護体に直線状のスリットを形成した場合の一例を示す分解説明図、図 20はシリンダ状のアンテナコイルの軸方向を導電性部材の設置溝部の底面に対して傾斜させて配置した様子を示す断面説明図である。

また、図 21 は導電性部材の設置溝部に配置された R F I Dタグを、該 R F I Dタグを収納する収納部を形成したキヤップ体からなる保護体により覆つた様子を示す断面説明図、図 22は設置溝部及びキャップ体が断面円形状に構成された場合の一例を示す分解説明図である。

また、図 23は固定手段の一例としてネジ止めによりキャップ体からなる保護体を導電性部材の設置溝部内に装着した様子を示す分解説明図である。

また、図 24は断面円形状のキャップ体からなる保護体のシリンダ状アンテナコイルの軸方向に切り欠きを設けた様子を示す分解説明図、図 25は断面円形状のキヤップ体からなる保護体のシリンダ状アンテナコイルの軸方向に表面側に連続する断面 L字状の切り欠きを設けた様子を示す分解説明図である。

また、図 26はブロック体の収納部に R F I Dタグを収納し、設置面側に該収納部を対向させた状態で設置溝部内に装着する様子を示す分解説明図である。尚、前述の各実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。

図 17及ぴ図 18に示すように、導電性部材 41の表面 41 a側には表面を開放した断面方形状の設置溝部 42が設けられており、 R F I Dタグ 1 aは該設置溝部 42に揷入され、その軸方向（図 18の左右方向）を該設置溝部 42の設置面となる底面 42 aと平行にして該底面 42 aに略接するようにしてスぺーサ等を介さずに直に設置される。

設置溝部 42内に埋設された R F I Dタグ 1 aのガラス容器 6の外周には非導電性材料で作られた保護体となる樹脂 8や接着剤等を充填して固定する。尚、設置溝部 42内に埋設された R F I Dタグ 1 aの外周に非導電性材料で作られたスポンジやガラスウール等の緩衝部材ゃ断熱材を R F I Dタグ 1 aに接して設けても良い。

設置溝部 42内に収納された R F I Dタグ 1 aの表面側には保護体となる金属製等の導電性材料で作られた板状の蓋体 11が配置されて R F I Dタグ 1 aの表面側が覆われ、該蓋体 11が固定手段と'なるビス 10により導電性部材 41に固定されている。

図 17に示す R F I Dタグ 1 aは、その本体が棒状に構成され、設置溝部 42は R F I Dタグ 1 aの大きさに応じた方形状で構成されている。蓋体 11 は中央部に設置溝部 42の形状に応じた形状を有する方形状の嵌合部 11 aが設置溝部 42 側に突出しており、該嵌合部 11 aを設置溝部 42に嵌合することで位置決めがされ、蓋体 11の鍔部 li bに形成された貫通穴 11 cを介して導電性部材 41に設けられたタップ穴 41 bにビス 10を螺合締着することで蓋体 11が導電性部材 41に固定される。尚、導電性部材 41にタップ穴 41 bを設けずにビス 10としてタツビングビスを用いて固定しても良い。

R F I Dタグ 1 aのアンテナコイル 2 aの軸方向の端部と、ガラス容器 6の軸方向の端部とは上記表 1に示した 1^， L ₂の寸法差に応じた位置関係にあり、図 17及ぴ図 18に示す設置溝部 42の側面 42 bと、アンテナコイル 2 aの軸方向の端部との間に所定の離間間隔が形成され、これによりアンテナコイル 2 aを貫く磁束が形成され易く、磁界 Hの形成に寄与する。

また、図 18 ( a ) に示すように、ビス 10により固定される導電性部材 41と、保護体となる蓋体 11 との間には互いに当接する接触面が形成され、この接触面により磁束を漏洩させる磁束漏洩路 12が形成される。

上記の磁束漏洩路 12 を形成するための間隙は、所望の漏洩磁束の大きさにより変化させ、例えばビス 10の締付力または接触面の粗面の程度などによって調整される。粗面化により磁束漏洩路 12を形成させる場合には、対向する両表面は互いに分散接触し、磁束漏洩路 12は分散する非接触部分を利用して形成される。

接触面の表面粗度は、互いに対向する表面の一方の表面粗度が 0 . 0 4 m程度に加工され、これにより接触面の隙間として 0 . 0 8 m程度が形成され、所望の電磁波の漏洩度が確保される。

また、図 18 ( b ) では、導電性部材 41 と、保護体となる蓋体 11 との間にゴムゃ樹脂等の非導電性材料で作られたスぺーサ 13を介在させて固定手段となるビス 10により固定したもので、比較的大きな厚さの磁束漏洩路 12が確保出来る。保護体となる蓋体 11と導電性部材 41との間に非導電性材料からなるスぺーサ 13 を介在させた場合には、密封性を確保しつつ、且つ導電性部材 41 と蓋体 11 との間に形成される非導電性材料により漏れ磁束が多くなるため好ましい。

また、図 18 ( c ) では、導電性部材 41 と、保護体となる蓋体 11 とを、固定手段となる非導電性材料からなる接着剤 14により固定したもので、接着による略平滑な接触面が形成され、この接触面により磁束を漏洩させる磁束漏洩路 12 が形成される。

また、保護体となる蓋体 11を導電性部材 41に対して接着剤 14により固定した場合には、簡単な構成で固定出来、蓋体 11と導電性部材 41との間に介在する接着剤 14の層により密封性を確保しつつ、且つ導電性部材 41と蓋体 11との間に非導電性材料からなる物理的な磁束漏洩路 12が形成されるため漏れ磁束が多くなる。

尚、蓋体 11と導電性部材 41との間にスぺーサ 13を介在させて接着剤 14により蓋体 11とスぺーサ 13と導電性部材 41とを接着しても良い。

本発明者等が行った実験結果によれば、磁界 Hは狭い隙間であっても回析現象により狭い隙間から伝搬することが判明したものであり、上述のような物理的な僅かな隙間である磁束漏洩路 12 を実用的なレベルで送受信可能な量の磁束が漏洩し得るように形成し、それを検証することで R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来ることを見い出したものである。

尚、磁束漏洩路 12の経路長と該磁束漏洩路 12の間隙幅（平均間隙幅）は外部のリードライト端末機 9との間に電磁波の送信が可能な最低値以上有れば良く、 0 . 0 8 m程度の間隙幅（平均間隙幅）があれば十分である。

R F I Dタグ 1 aの表面側を覆う保護体となる蓋体 11が導電性材料で作られ、該蓋体 11と導電性部材 41との間に磁束漏洩路 12が形成されたことで、外部からの応力や衝撃に対して一層強いものとなり、且つ磁束漏洩路 12を介して電磁波が漏洩し、 R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来る。従って、 R F I Dタグ 1 aを導電性部材 41 に設けた表面側が開放された設置溝部 42の底面 42 aに略密着して直付けで設置し、更に設置溝部 42の表面側を金属製等の導電性材料で作られた保護体となる蓋体 11により覆っても図 18 ( a ) 〜（c ) に示すように、導電性部材 41 の表面側に漏れ磁束による磁界 Hが発生しており、外部のリードライト端末機 9等との間で通信が出来る。

図 17の設置溝部 42は保護体となる方形状の蓋体 11に対応して断面方形状で形成した一例であるが、保護体として円盤状の蓋体 11 を用意し、該円盤状の蓋体 11に対応して断面円形状の設置溝部 42を形成することでも良い。

これ等は予め設置溝部 42 を想定して導電性部材 41 の形状を製作するか、図 17の設置溝部 42はドリル等で複数の穴を連続的に並設して断面方形状の設置溝部 42を形成することも可能である。また、断面円形状の設置溝部 42ではドリル等により容易に形成することが出来る。

また、アンテナコイル 2 aにより形成される磁束の方向が、蓋体 11 と、導電性部材 41との接合面と一致した方向（図 18の左右方向）に配置されており、これにより漏れ磁束の回折現象による伝搬が効果的に出来、設置面の上部に形成される磁界 Hの形成に寄与する。

上記構成によれば、 R F I Dタグ 1 aから出た磁束の一部が導電性部材 41の設置面である底面 42 a上に分布し、それが磁気漏洩路 12から外部に漏洩し、その漏洩磁束を利用して外部のリードライト端末機 9等と通信することが出来る。また、リードライト端末機 9等の発信装置から出た磁束は磁束漏洩路 12から保護体となる蓋体 11で覆われた設置溝部 42内に入り、その一部が R F I Dタグ 1 aのアンテナコイル 2 aで検出される。

従って、 R F I Dタグ 1 aを導電性部材 41 に設置し、機械的強度の大きい金属等の導電性材料で作られた保護体となる蓋体 11で保護した状態で外部と通信することが出来る。

また、導電性部材 41に設置溝部 42を形成し、その設置溝部 42の底面 42 aを設置面として R F I Dタグ 1 aを配置したことで、 R F I Dタグ 1 aから出た磁束の一部、若しくは R F I Dタグ 1 aへ向かう磁束の一部は設置溝部 42の空間に分布し、それを利用して磁束漏洩路 12を通して通信することが出来る。

このようにすると、 R F I Dタグ 1 a及ぴ保護体となる蓋体 11を設置溝部 42 力 ^突出しないように設置出来る。

従って、従来のように R F I Dタグ l aと導電性部材 41 との間に空間を確保したり非導電性材料を介在させることを排除して導電性部材 41 に形成する設置溝部 42 を浅くすることが出来、構成が簡単で別途、スぺーサとして非導電性材料等を用意する必要もない。

また、導電性部材 41に形成される設置溝部 42の深さも小さくて済み、導電性部材 41の強度を確保することが出来る。従って、導電性部材 41が薄手の物に対して R F I Dタグ 1 aを設置する場合に有利である。

また、蓋体 11 により R F I Dタグ 1 aを覆うことで該 R F I Dタグ 1 aの保全を確保することが出来、導電性部材 41 を有する製品に外力が作用して衝撃を受けても R F I Dタグ 1 aが破損する等の虞が無い。

また、導電性部材 41の設置溝部 42に緩衝部材ゃ断熱材を介在させて R F I D タグ 1 aを保護することで、より効果的に R F I Dタグ 1 aの保全を確保すると共に温度の安定化を図ることで R F I Dタグ l aの性能の安定化を図ることが出来る。

また、蓋体 11はビス 10や接着剤 14で固定する以外にも、スライド式等で開閉可能なシャッター構造やヒンジ部材等を介して回動して開閉可能な構造としても良い。

また、図示しないが蓋体 11 は平板からなるものであっても良く、導電性部材 41 の設置溝部 42の上部表面側に段部を形成し、該段部に平板からなる蓋体 11 を嵌合して蓋体 11の表面と導電性部材 41の表面とを略面一にして突出を無くしても良い。

また、図 18に示したように蓋体 11に設置溝部 42側に突出した嵌合部 11 aを形成したものを用意し、該蓋体 11の鍔部 li bを設置溝部 42の上部表面側に設けた段部に嵌合すると共に、設置溝部 42に嵌合部 11 aを嵌合するようにして段部に蓋体 11を落とし込んだ構成で、ビス止めゃスぺーサ 13を介在させたり接着剤 14により固定しても良い。

また、図示しないが、金属製等の導電性材料で作られた保護体として板体からなる方形状の蓋体 11の中央部に導電性部材 41の方形状の設置溝部 42に対応して該設置溝部 42 と反対側に上方に突出した方形状の箱部を設け、該箱部の内部に設置溝部 42 に対向した方形状の収納部を形成して、この収納部に R F I Dタグ 1 aの一部を収納しても良い。

尚、図 17では設置溝部 42を保護体となる方形状の蓋体 11に対応して断面方形状で形成した一例を示したが、保護体として円盤状の蓋体 11 を用意し、該円盤状の蓋体 11に対応して断面円形状の設置溝部 42を形成することでも良い。また、図示しないが、導電性部材 41が平面状の垂直面で構成され、 R F I D タグ 1 aを、その軸方向を導電性部材 41の垂直面と直交する方向で収納部 15に配置収納した状態でハット形状の蓋体 11を該導電性部材 41に固定しても良い。尚、導電性部材 41 の表面は水平面や垂直面以外の傾斜面や或いは湾曲面であつても同様に適用出来るものである。

図 19は保護体である平板状の蓋体 11を貫通してシリンダ状に形成されたアンテナコイル 2 aを有する R F I Dタグ 1 aの軸方向と一致する方向で該アンテナコイル 2 aの長さ L ₂に応じた長さを有する磁束漏洩路となるスリツト li eを設けたものである。尚、スリット li eは接着剤や充填材で閉鎖することも出来る。保護体である蓋体 11に形成した磁束漏洩路となるスリット li eを介して漏れ磁束が回折して発生し、設置溝部 42の設置面となる底面 42 aの上部に磁界 Hが形成される。これにより R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信する効果をより向上することが出来る。

図 20はシリンダ状のアンテナコイル 2 aを有する棒状の R F I Dタグ 1 aを、その軸方向を導電性部材 41の設置溝部 42の設置面となる底面 42 aに対して傾斜させて配置したものである。

尚、図示しないが収納部を有する蓋体 11 の収納部内にシリンダ状のアンテナコイル 2 aを有する棒状の R F I Dタグ 1 aを、その軸方向を導電性部材 41 の設置溝部 42の設置面となる底面 42 a、或いは導電性部材 41の平坦な設置面に対して傾斜させて配置しても良い。

上記構成であっても導電性部材 41の設置面或いは設置溝部 42の上方空間に磁束の一部を分布させることが出来、それを利用して磁束漏洩路 12を通して通信することが出来る。しかも、設置面或いは設置溝部 42の投影断面をより小さくすることが出来、小さな設置面積しカ^！保出来ない場合であっても有効に利用出来る。

また、前述したように導電性部材 41と蓋体 11との接合部の磁束漏洩路 12は、接合面の離間間隔が 0 . 0 8 /x m以上に設定されており、これにより漏れ磁束の回折が効果的に出来、磁界 Hの形成に寄与するが、特に、磁束漏洩路 12が図 18 等に示す蓋体 11の嵌合部 11 aや導電性部材 41の段部によるクランク形状になつていない方が効果的であり、図示しないが、単に導電性部材 41上に平板からなる蓋体 11を固定したような磁束漏洩路 12がストレート形状であればより好ましいことが実験的に判明した。

図 21及び図 22に示すシリンダ状のアンテナコイル 2 aを有する R F I Dタグ 1 aは、保護体とレて金属製等の導電性材料で作られたキャップ状に形成されたキヤップ体 51 aの内部に収納され、樹脂 8や接着剤等の封止材により封止されて固定されている。

尚、キャップ体 51 a内に埋設された R F I Dタグ 1 aに接して非導電性材料からなるスポンジゃガラスゥール等の緩衝部材ゃ断熱材を配置しても良い。

R F I Dタグ 1 aを収納したキャップ体 51 aは、該 R F I Dタグ 1 aを覆った状態で導電性部材 41の設置溝部 42の設置面となる底面 42 a側にキャップ体 51 aの収納部を対向させた状態で該キヤップ体 51 aを設置溝部 42内に装着して固定される。図 22に示すキャップ体 51 aは、 R F I Dタグ 1 aの大きさに応じた円筒形状の側板 51alと円盤形状の天板 51a2を有して構成され、導電性部材 41に形成された設置溝部 42はキヤップ体 51 aの大きさに応じた円筒形状で構成されている。そして、キャップ体 51 aの側面部と底面部、或いは導電性部材 41の設置溝部 42内に接着剤 14が塗布された状態で、キヤップ体 51 aの天板 51a2が導電性部材 41の表面 41 a側に配置される向きで該キャップ体 51 aが設置溝部 42内に揷入され、接着剤 14により接合されて固定される。

尚、図示しないが、キャップ体 51 aを R F I Dタグ 1 aの大きさに応じた方形状の側板 51alと方形状の天板 51a2を有して構成し、導電性部材 41に形成された設置溝部 42もキャップ体 51 aの大きさに応じた方形状で構成しても良い。

尚、接着剤 14はキャップ体 51 aか導電性部材 41の設置溝部 42内の少なくともどちらか一方の一部に塗布されても良い。

図 21にはキヤップ体 51 aの内部に収納され、該キヤップ体 51 aに覆われた状態で導電性部材 41の設置溝部 42の内部に埋設された R F I Dタグ 1 aから発生する漏れ磁束により設置溝部 42の設置面となる底面 42 a上に形成される磁界 H の様子を併せて図示したものである。

R F I Dタグ 1 aのアンテナコイル 2 aの軸方向の端部と、キャップ体 51 aの側板 51alの内壁面 51a3との間には所定の離間間隔が形成され、これによりアンテナコイル 2を貫く磁束が形成され易く、磁界 Hの形成に寄与する。

磁界 Hは導電性部材 41の設置溝部 42とキャップ体 51 aとの接合面に形成される磁束漏洩路 12を通る漏れ磁束の回祈現象により設置溝部 42の設置面となる底面 42 aの上部に伝搬することが出来、これにより、 R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来るものである。

R F I Dタグ 1 aを導電性部材 41の設置溝部 42の底面 42 aに略密着して設置レ、更にキャップ体 51 aにより上部を覆っても図 21に示すように導電性部材 41の設置溝部 42の底面 42 a上部に磁界 Hが発生している。尚、キャップ体 51 aと導電性部材 41との間に図示しないゴムや樹脂等の非導電性材料からなるスぺーサを介在させて設けても良い。キャップ体 51 aと導電性部材 41 との間に非導電性材料からなるスぺーサを介在させた場合には、密封性を確保しつつ、且つ導電性部材 41とキャップ体 51 aとの間に形成される非導電性材料により漏れ磁束が多くなるため好ましい。

また、キャップ体 51 aと導電性部材 41との間にスぺーサを介在させた場合には、スぺーサと導電性部材 41及ぴスぺーサとキャップ体 51 aとの間に接着剤 14 を介在させて固定させても良い。

また、キヤップ体 51 aを導電性部材 41に対して接着剤 14により固定した場合には、簡単な構成で固定出来、キヤップ体 51 aと導電性部材 41との間に介在する接着剤 14の層により導電性部材 41とキヤップ体 51 aとの間に非導電性材料からなる磁束漏洩路 12が形成されるため漏れ磁束が多くなる。これにより、 R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等の間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信する場合に有利である。

また、磁束漏洩路 12は、キャップ体 51 aと、導電性部材 41 との接合面の離間間隔が 0 . 0 8 m以上の隙間が確保されるように設定されており、これにより漏れ磁束の回折現象による伝搬が効果的に出来、設置溝部 42の設置面となる底面 42 aの上部に磁界 Hが形成され、これにより電力や信号の授受が可能になつている。

上記構成によれば、導電性部材 41に形成される設置溝部 42の深さも小さくて済み、導電性部材 41 の性能や強度を確保することが出来る。従って、導電性部材 41が薄手の物に対して R F I Dタグ 1 aを設置する場合に有利である。

従って、従来のように R F I Dタグ 1 aと導電性部材 41 との間に空間を確保したり非導電性材料を介在させることを排除して導電性部材 41 に形成する設置溝部 42を浅くすることが出来、構成が簡単で別途、スぺーサとして非導電性材料等を用意する必要もない。

また、キャップ体 51 aにより R F I Dタグ 1 aを覆うことで該 R F I Dタグ 1 aの保全を確保することが出来、導電性部材 1 を有する製品に外力が作用して衝撃を受けても R F I Dタグ 1 aが破損する等の虞が無い。

また、キヤップ体 51 aの内部の収納部に緩衝部材ゃ断熱材を介在させて R F I Dタグ 1 aを保護することで、より効果的に R F I Dタグ 1 aの保全を確保すると共に温度の安定化を図ることで R F I Dタグ 1 aの性能の安定化を図ることが出来る。

図 23に示す実施形態では、保護体となるキヤップ体 51 aの側板 51alの外壁面 51a4にネジ部 51a5が形成されており、該ネジ部 51a5に対応して導電性部材 41の設置溝部 42の側面 42 bにネジ部 42blが形成されている。

そして、キャップ体 51 aの内部の収納部に R F I Dタグ 1 aを収納して樹脂 8 等の封止材により封止して固定した後、導電性部材 41の設置溝部 42の設置面となる底面 42 a側にキャップ体 51 aの R F I Dタグ 1 aを収納した収納部を対向させた状態で該キヤップ体 51 aのネジ部 51a5を設置溝部 42のネジ部 42blに螺合締着して該キヤップ体 51 aを設置溝部 42内に装着固定する。

尚、キャップ体 51 aの天板 51a2の上面には係合穴 51a6が形成されており、図示しない蹄着治具を該係合穴 51a6に係合させてキヤップ体 51 aを導電性部材 41に螺合締着して固定することが出来るようになつている。

本実施形態の場合、キヤップ体51 &のネジ部51&5と設置溝部 42のネジ部 42bl との螺合により締着固定されるが、ネジ部 42bl， 51a5相互間の接合面の離間間隔が 0 . 0 8 以上の隙間が確保されて磁束漏洩路 12が形成されるため、該磁束漏洩路 12を通して漏れ磁束が回折現象により伝播し、設置溝部 42の設置面となる底面 42 aの上部に磁界 Hが形成される。これにより、外部のリードライト端末機 9等との間で電力や信号の授受が可能になっている。

図 24及び図 25では、シリンダ状に形成されたアンテナコイル 2 aの軸方向端部に対応するキャップ体 51 aの側板 51alや天板 51a2を切り欠いて漏れ磁束を增やすための磁束漏洩路を構成するスリット 52を設けたものである。

図 24に示すキヤップ体 51 aの円筒形状の側板 51alには略半円形状のスリ V ト 52が形成された一例を示し、図 25では、キヤップ体 51 aの円筒形状の側板 51alから円盤形状の天板 51a2にかけて連続した略半円筒形状のスリット 52が形成された一例を示す。

尚、図示しないが、キャップ体 51 aが方形状で構成された場合には、方形状の側板 51alに方形状のスリット 52を形成したり、方形状の側板 51alから方形状の天板 51a2にかけて連続した L字形状のスリット 52を形成したものでも良い。尚、スリット 52の形状は漏れ磁束を増やすことが出来、且つ、キャップ体 51 aの強度を維持し得る程度の他の種々の形状、大きさで形成される。

上記構成によれば、各キヤップ体 51 aの夫々の側板 51alや天板 51a2に形成した磁束漏洩路となるスリット 52 を介して漏れ磁束を更に増やすことが出来、このスリット 52 を介して漏れ磁束が回折して設置溝部 42 の設置面となる底面 42 aの上部に磁界 Hを形成することが出来、 R F I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信する効果をより向上することが出来る。

図 26は金属製等の導電性材料で作られた保護体となる円柱状のプロック体 61 の表面に直線状の収納部となる溝 61 aが形成されており、その溝 61 &内に1 ？ I Dタグ 1 aをその軸方向が設置溝部 42の設置面となる底面 42 aと平行になるように収納レ、導電性部材 41の設置溝部 42の設置面となる底面 42 a側に溝 61 aを対向させた状態で該ブロック体 61が設置溝部 42内に装着される。

そして、ブロック体 61の側面部と底面部、或いは導電性部材 41 の設置溝部 42内に接着剤 14が塗布された状態で該プロック体 61が設置溝部 42内に揷入され、接着剤 14により接合固定されて設置される。

このようにプロック体 61の溝 61 aに R F I Dタグ 1 aを収納して導電性部材 41の設置溝部 42に設置することにより R F I Dタグ l aを精確に位置決めして設置することが出来、施工も容易である。

尚、図示しないが、 R F I Dタグ 1 aの大きさに応じた他の種々の形状の設置溝部 42内に設置される場合であっても良く、 R F I Dタグ 1 aの大きさに応じた他の種々の形状のプロック体 61がその形状に応じた設置溝部 42内に挿入されて固定されるものであっても良い。

次に、図 27〜図 29を用いて同心円盤状のアンテナコイル 2 bを有する R F I Dタグ 1 bを導電性部材 41に設置する設置構造並びに通信方法について説明する。尚、前記シリンダ状のアンテナコイル 2 aを有する R F I Dタグ 1 aと同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。

図 27は導電性部材の設置溝部に配置された同心円盤状のアンテナコイルを有する R F I Dタグを一部が該設置溝部内に挿入される凸部を有する板状の保護体により覆う様子を示す分解説明図、図 28は図 27の板状の保護体を固定手段により導電性部材に固定した様子を示す断面説明図である。

また、図 29は板状の保護体に各種のスリットを形成した場合の一例を示す分解説明図である。

図 27において、導電性部材 41には前述した同心円盤状のアンテナコイル 2 b を有する R F I Dタグ 1 bの大きさに応じた断面円形状の設置溝部 42が形成されており、該 R F I Dタグ 1 bが、そのアンテナコイル面を導電性部材 41の設置面となる底面 42 aに平行にして配置し、該導電性部材 41と、金属製等の導電性材料で作られた保護体となる蓋体 11との間に磁束漏洩路 12が形成される。図 27及ぴ図 28に示す保護体となる蓋体 11は中央部に設置溝部 42の形状に応じた形状を有する円柱形状の嵌合部 11 aが設置溝部 42側に突出レており、該嵌合部 11 aを設置溝部 42に嵌合することで位置決めがされ、蓋体 11の鍔部 11 b に形成された貫通穴 11 cを介して導電性部材 41に設けられたタップ穴 41 bにビス 10を螺合締着することで蓋体 11が導電性部材 41に固定される。尚、導電性部材 41にタップ穴 41 bを設けずにビス 10とレてタッピングビスを用いて固定しても良い。

尚、図 28には導電性部材 41の設置溝部 42の内部に埋設された R F I Dタグ 1 bから発生する磁界 Hの様子を併せて図示したものである。

尚、図示しないが、保護体となる蓋体 11 を平板により構成しても良いし、導電性部材 41の設置溝部 42の上部表面側に段部を形成し、該段部に平板からなる蓋体 11を嵌合して、蓋体 11の表面と導電性部材 41の表面とを略面一にして突出を無くした構成にしても良い。

また、円盤状の蓋体 11の中央部に導電性部材 41の断面円形状の設置溝部 42 に対応して該設置溝部 42 と反対側に上方に突出した円筒状の箱部を設け、該箱部の内部に設置溝部 42に対向した断面円形状の収納部を形成し、導電性部材 41 の設置溝部 42 と蓋体 11の収納部の内部に R F I Dタグ 1 bが収納して蓋体 11 により R F I Dタグ l bを覆った構成であっても良い。

図 29 ( a ) は円盤状の蓋体 11を貫通して同心円盤状に形成されたアンテナコィル 2 bを有する R F I Dタグ 1 bの径方向と一致する方向でアンテナコイル 2 bの中心に対応する部位から放射状にアンテナコイル 2 bの外径 D ₄に応じた長さを有するスリット li eを磁束漏洩路として設けたものである。尚、スリット 11 eは接着剤や充填材で閉鎖することも出来る。

また、図 29 ( b ) はアンテナコイル 2 bの径方向に磁束漏洩路として 1本だけスリット 11 eを設けたものである。尚、スリット 11 eは接着剤や充填材で閉鎖することも出来る。

同心円盤状のアンテナコイル 2 bを有する R F I Dタグ 1 bから発生した漏れ磁束は磁束漏洩路 12や磁束漏洩路となるスリット 11 eを通して回折現象により導電性部材 41 の設置面上部に磁界 Hを形成し、外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来る。

尚、前述の蓋体 11やキャップ体 51 a、或いはプロック体 61は導電性部材 41 に対してビス止め接合や接着剤接合により固定する以外にも嵌め合い接合、カシメ接合、ネジ嵌合接合、シーム接合、粘着材接合により磁束漏洩路を実用的なレベルで送受信可能な量の磁束が漏洩し得るように固定することでも良い。シーム結合とは金属板同士の間に高密度ポリエチレン等を介して接合部位を共卷きにして接合されたものである。図 30 (a) は本発明に係る RF I Dタグの通信方法を鋼板を複数重ねたものに適用した場合の一例を示す側面説明図、図 30 (b) は本発明に係る RF I Dタグの通信方法を鋼板を複数重ねたものに適用した場合の一例を示す斜視説明図である。

図 30 (a), (b) において、板状とされた複数の導電性部材となる平板状の鋼板 71が当て木 72を介して複数枚積み重ねられており、各鋼板 71の表面にはシリンダ状のアンテナコイル 2 aを有する RF I Dタグ 1 aが設置され、鋼板 71 と鋼板 71との間に磁束漏洩路 12が形成され、該磁束漏洩路 12を通る漏洩磁束を利用して RF I Dタグ 1 aと積み重ねられた鋼板 71 の外部のリードライト端末機 9等との間で通信を行うように構成されている。

RF I Dタグ 1 aは鋼板 71 に対して非導電性材料からなる接着材ゃ粘着材等で固定されても良いし、. RF I Dタグ 1 aを保持する磁石を鋼板 71に吸着させても良い。

RF I Dタグ 1 aは、図 30 (b)に示すように、積載された鋼板 71の角部に、その軸方向が斜め（例えば 45度）に傾けた状態で配置して固定されるのが好ましく、鋼板 71と鋼板 71との間に形成される隙間からなる磁束漏洩路 12が RF I Dタグ 1 aのアンテナコイル 2 aの軸方向に開放レた状態で形成されるため、これによりアンテナコイル 2 aを貫く磁束が形成され易く、磁界 Hの形成に寄与する。

磁界 Hは鋼板 71と鋼板 71とにより形成される隙間により形成される磁束漏洩路 12から伝搬することが出来、その磁束漏洩路 12から発生する漏れ磁束により、 RF I Dタグ 1 aと外部のリードライト端末機 9等との間で電力送電媒体及び情報通信媒体である交流磁界を相互に送受信して RF I Dタグ 1 aに記憶された情報を取り出すことが出来るものである。

尚、平板状の鋼板 71以外にも緩やかに湾曲した湾曲板や波板にも同様に適用出来るものであり、複数枚重ねられた板状の導電性部材としては、鋼板 71の代りに、例えば、銅箔により電気回路が形成されたプリント基板や、アルミニウム材、銅材、ステンレス材等の各種金属材料からなる他の種々の板状の金属物品や、樹脂、セメント、コンクリート等に鉄粉等の磁性体を混練した材料や、粉等の磁性体を布等に折り込んだり付着させた材料や、磁石等の磁性体からなる板状の物品を複数重ね合わせた場合に適用可能であり、これ等の板状の物品を複数重ねた状態で、該物品の間に R F ί Dタグ 1 aを配置し、該 R F I Dタグ 1 aに記憶された情報を取り出すことで製品管理や在庫管理等を容易に且つ効率的に行うことが出来る。

Claims

請求の範囲

1. アンテナコイルと制御部とを有する RF IDタグが導電性材料で作られた容器に収容され、その容器に磁束漏洩路を形成したことを特徴とする RF IDタグの収容構造。

2. 前記容器を分割可能な複数の分割体により構成し、その分割面、或いは該分割体自身の少なくとも一方に磁束漏洩路を形成したことを特徴とするクレーム 1に記載の R F I Dタグの収容構造。

3. 前記容器を構成する分割体が開口部を有する容器本体と、その開口部を覆う蓋体からなり、該蓋体を固定手段により前記容器本体に固定したことを特徴とするクレーム 2に記載の R F I タグの収容構造。

4. 前記蓋体を非導電性材料で作られたスぺーサを介して前記容器本体に前記固定手段により固定したことを特徴とするクレーム 3に記載の RF I Dタグの収容構造。

5. 前記 RF I Dタグに接して非導電性材料で作られた緩衝材または断熱材を設けたことを特徴とするクレーム 1に記載の RF I Dタグの収容構造。

6. 前記分割体を開閉手段により互いに開閉可能に連結したことを特徴とするクレーム 2に記載の RF I Dタグの収容構造。

7. 前記アンテナコイルをシリンダ状または同心円盤状に形成したことを特徴とするクレーム 1に記載の RF I Dタグの収容構造。

8. クレーム 1〜5のいずれか 1項に記載の RF I Dタグの収容構造を導電性部材の設置面に設置したことを特徴とする R F I Dタグの設置構造。

9. アンテナコイルと、制御部とを有する RF I Dタグを、導電性部材に設置する構造であって、

前記 R F I Dタグを導電性部材の設置面に配置し、その R F I Dタグの表面側を導電性材料で作られた保護体で覆い、前記導電性部材と前記保護体との間または該保護体の少なくとも一方に磁束漏洩路を形成したことを特徴とする RF I D タグの設置構造。

10. 前記導電性部材に設置溝部を形成し、その設置溝部の底面を設置面として前記 RF I Dタグを配置したことを特徴とするクレーム 9に記載の RF I Dタグの設置構造。

11. 前記保護体を板状またはキャップ状に形成したことを特徴とするクレーム 10に記載の R F I Dタグの設置構造。

12. 前記保護体を表面に収納部を形成したブロック体により形成し、その収納部に前記 RF IDタグを収納し、前記導電性部材の設置面側に前記保護体の収納部を対向させた状態で該保護体を設置溝部内に装着したことを特徴とするクレーム 10に記載の RF I Dタグの設置構造。

13. シリンダ状のアンテナコイルを有し、且つ棒状に形成した前記 RF I D タグを、その軸方向を前記導電性部材の設置面と平行にし、且つ該設置面に略接して配置したことを特徴とするクレーム 9またはクレーム 10に記載の RF ID タグの設置構造。

14. シリンダ状のアンテナコイルを有し、且つ棒状に形成した前記 RF I D タグを、その軸方向を前記導電性部材の設置面に対して傾斜させて配置したことを特徴とするクレーム 10に記載の RF I Dタグの設置構造。

15. 同心円盤状のアンテナコイルを有する前記 RF I Dタグを、そのアンテナコィル面を前記導電性部材の設置面に平行にして配置レ、前記保護体に磁束漏洩路を形成したことを特徴とするクレーム 10に記載の RF IDタグの設置構造。

16. 固定手段により前記保護体を前記導電性部材に固定したことを特徴とするクレーム 9またはクレーム 10に記載の RF I Dタグの設置構造。

17. 前記固定手段により前記保護体を非導電性材料で作られたスぺーサを介して前記導電性部材に固定したことを特徴とするクレーム 16に記載の R F I D タグの設置構造。

18. 非導電性材料で作られた緩衝部材または断熱材を前記 RF I Dタグに接して設けたことを特徴とするクレーム 9またはクレーム 10に記載の RF IDタグの設置構造。

19. アンテナコイルと制御部とを有する RF I Dタグの周囲を導電性部材で覆った状態で通信する方法であって、

前記導電性部材に磁束漏洩路を形成し、その磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して前記 RF IDタグと前記導電性部材の外部との間で通信を行うように構成したことを特徴とする R F I Dタグの通信方法。

20. 前記 RF I Dタグを導電性材料で作られた設置部材に設置し、該 RF I Dタグの表面側を導電性材料で作られた保護体で覆うことによって、該 RF I D タグの周囲を前記設置部材と前記保護体からなる導電性部材で覆った状態とし、該設置部材と該保護体の間、或いは該保護体の少なくとも一方に形成した磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して通信を行うように構成したことを特徴とするクレーム 19に記載の R F I Dタグの通信方法。

21. 前記設置部材に設置溝部を形成し、その設置溝部に前記 R F IDタグを設置することを特徴とするクレーム 20に記載の R F I Dタグの通信方法。

22. 導電性材料で作られたブロック体からなる保護体の表面に収納部を形成して該収納部に前記 RF IDタグを収納し、該収納部側を前記設置溝部の底面側にして前記保護体を前記設置溝部内に設置レたことを特徴とするクレーム 21に記載の R F I Dタグの通信方法。

23. 導電性材料で作られた容器内に前記 RF I Dタグを収容することによつて該 RF I Dタグの周囲を前記容器からなる導電性部材で覆った状態とし、該容器に設けた磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して通信を行うように構成したことを特徴とするクレーム 19に記載の RF I Dタグの通信方法。

24. アンテナコイルと制御部とを有する RF I Dタグの通信方法であって、板状とされた複数の導電性部材が積み重ねられ、各導電性部材の表面に RF I Dタグが設置され、各導電性部材の間に磁束漏洩路を形成し、その磁束漏洩路を通る漏洩磁束を利用して前記 R F I Dタグと前記導電性部材の外部との間で通信を行うように構成したことを特徴とする R F I Dタグの通信方法。